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March,20,2011

演劇人の課題

 我々演劇人は、比較的監視や管理の対象になりやすい人種です。演劇では戯曲で政治的な発言もできますし、劇場という現場にはいろいろな人が自由に出入りします。それから即興で何を言ってもいいということがあります。台本はありますけれども、即興だったら俳優が何を言ってもいいわけです。そのために、演劇は管理や監視の対象となる。これは、ヨーロッパやアジアのどこの国でもあったことです。しかし、これからは今までとは違って、我々の見えない所でもあらゆる行動がチェックされることが起こるでしょう。それが、世界の演劇人同士の自由な交流や行動の阻害要因になる可能性があると思います。全ての演劇人が、今そういう状況にいるわけではありませんが、こういう国の人といっしょに共同作業をするのはおかしいとか、共同すること自体が問題になる社会がうまれつつあると私は感じています。実際にテロが起きると困りますし、テロは犯罪です。それを防ぐという点ではたしかにいい面もありますが、国家が人間を人種や国籍によって差別し、その結果我々の中にも人種差別的な心情が強く起こってくる可能性もありうる。ですから、今後は世界的な共同作業のなかで我々演劇人は、もっと協力して、人間が豊かで楽しく共存して仕事ができる環境を作っていかなければならないと思います。
 
2010年9月、第5回シアター・オリンピックスでのスピーチより

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