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渡辺保著「演出家鈴木忠志 その思想と作品」が岩波書店より出版されました
「寺山修司、唐十郎、鈴木忠志、蜷川幸雄、佐藤信と並べてみると、この五人はそれぞれ異色の面白さを持っている。しかし、この五人のなかで、私が特に鈴木忠志に興味を持っているのは、(中略)鈴木忠志がもっとも深く言葉と俳優の身体の関係を追求したからにほかならない。その追求は、演劇の原点に及んで、独自の俳優術を生み、そして戯曲の形式の本質を問う芸術的なものであった。——序章「演劇の原点」より
以下の作品が取り上げられている。
「どん底における民俗学的分析」
「劇的なるものをめぐって」
「夏芝居ホワイト・コメディ」
「トロイアの女」
「バッコスの信女」
「王妃クリテムネストラ」
「桜の園」
「リア王」
「シラノ・ド・ベルジュラック」
「別冊 谷崎潤一郎」
「帰ってきた日本」
「サド侯爵夫人(第二幕)」
「世界の果てからこんにちは」
「津軽海峡冬景色」
本書は、これらの主要な鈴木作品を丹念に読み解き、その思想と演出の本質を明らかにする。演劇評論の第一人者、渡辺保による鈴木忠志論。