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鈴木忠志見たり・聴いたり

12月25日 変化への予兆

 最後の劇団総会で、来年の活動の日程が事務局より示される。承知はしていたものの、渡されたペーパーを見て、個人として既に活躍している演劇人が来村するだけではなく、来年は世界の多くの教育機関からも、学生が大量に利賀村に送り込まれることを改めて確認する。私が気楽に請け負ってのことだから責任は私にもあるのだが、これでは劇団員も忙しく、ダイジョウブカ、という思いも胸をよぎる。どれだけの活動が、ここに書かれているとおりに実現したか、その成果はいかなるものだったかを、来年の終わりにチェックしやすいように記録しておこうと思う。むろん、このスケジュールを失念した時の用心のためにでもある。
 
1月10日(火) 鈴木演出3作品の稽古開始
 
2月18日(土)~3月26日(日) 「青い鳥」(メーテルリンク作)の稽古と公演
<富山県内の中高校生と外国の演劇人が共同で創作する舞台。演出:マティア・セバスティアン>
 
4月8日(土)~21日(金) 鈴木演劇塾・中国(40名)
<北京郊外の古北水鎮で、中国全土から応募した演劇人を教える>
 
4月20日(木)~5月7日(日)
日本・インドネシア共同企画事業「ディオニュソス」(鈴木忠志演出)
<国際交流基金との3年間の共催事業。インドネシアの俳優17名が利賀に滞在して、日本、中国の俳優も参加し、第1期の稽古を開始>
 
5月7日(日)~11日(木) 利賀・鈴木演劇塾 YaleNUS大学(シンガポール・20名)
<シンガポール国立大学とアメリカのイェール大学が共同で創設した大学の学生が受講>
 
5月12日(金)~26日(金) 利賀・鈴木演劇塾 中国国立中央戯劇学院(27名)
<北京にある中国で唯一の国立舞台芸術大学。演技クラスの2年生全員と担当の先生が受講と訓練>
 
5月29日(月)~6月5日(月) 劇団SITI創立25周年記念・アメリカ公演
<アメリカの演出家アン・ボガートと鈴木が共同創設した劇団の本拠地・ニューヨーク郊外のサラトガでの公演(「トロイアの女」)>
 
6月19日(月)~7月1日(土) 中国国立国家大劇院創立10周年記念事業公演
<記念事業である国際演劇祭の一環として招待され、2作品・「トロイアの女」、「ディオニュソス」を上演。中国、韓国の俳優もSCOTのメンバーに加わる>
 
8月14日(月)~8月28日(月) 利賀・鈴木演劇塾
<世界15カ国の演劇人約30名と、デンマーク国立演劇大学から数名が参加>
 
8月25日(金)~9月3日(日) SCOTサマー・シーズン
<鈴木演出4作品の上演と、ロシア、中国、韓国の作品を招聘>
 
9月8日(金)~24日(日) SCOT中国公演
<万里の長城の麓の野外劇場と上海郊外の烏鎮で「シラノ・ド・ベルジュラック」を上演>
 
12月12日(火)~25日(月) SCOT吉祥寺公演
<鈴木演出の2作品を上演予定>
 
 この活動内容を子細に点検してみると、劇団SCOTと利賀村の存在が、来年あたりから大きく変化していく予兆のようなものを感じる。
 明日は劇団の忘年会。これで今年の活動はすべて終了する。不思議なことに、雪は殆ど積もっていない。来年は1月10日から活動開始。私も久し振りに、年末年始に利賀村を離れるが、その間に利賀村は豪雪に見舞われているかもしれない。